固定観念というタブーを破る(JDPアセットマネジメント株式会社)

かつて、評論家の犬養智子さんが、びっくりするような常識破りの『家事秘訣集』という本を出しておおいにヒットさせたことがあった。

無精から生みだした機能主義・合理主義というのがうたい文句だったが、その発想はことごとく常識破りだった。

たとえば、赤ちゃんのからだを洗うのは台所の流しが理想的だ。

あそこならお湯も水も出るし高さもちょうどいい。

小物の洗濯ものは、冷蔵庫の中に入れておくとよく乾燥するし、夏など乾き上がりが冷えていて気持ちがいい。

ジャガイモは洗濯機のなかで洗うと皮がきれいによくむける......といった調子の家事アイデア集だった。

流しは調理や食器洗いに使うもの、冷蔵庫は食べ物を入れておくところ、洗濯機は衣類の洗濯に使うもの、という類の家庭内の"常識"をすべてくつがえしたもので、具体的な家事アイデア集に名を借りて、じつは家事における固定観念というタブーを破る画期的で痛快な本だった。

しかしそれだけに、常識をたいせつにする保守的な考え方の主婦たちからは、反発もずいぶん激しかったようだ。

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