父の苦労を無駄にしない賢い娘

散歩の途中で立ち寄った魚屋さんの店先で、主人の愛娘が長靴をはき、ゴムの前掛けをして二コニコと働いているのを見るたびに、父親ばかりか私までがうれしくなります。

こんな可愛い娘が、よくもまあ冷たい水の中に手をつっこんだりして、と感心するのですが、彼女に言わせれば、幼い時分から父が一日中愚痴もこぼさず働くのを見てきたから、自分では特別なことをしているとは思わないというのです。

同様なことは、時折、立ち寄るお料理屋さんの感心な姉妹からも聞いたことがあります。

彼女たちの父親が、ある事業に失敗してからこの店を築くまでの苦労を見てきたので、お料理を運ぷことも酔っぱらいの相手をすることも、とくにいやだと思ったことはない、いつも自然な気持で働いていますと言うのです。

商売人の家に親孝行な娘が多いのは、こんなふうに、父親の仕事ぶりをいつも目の当りに見て育つからでしょう。

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