直観やビジネスセンスに頼るスペイン人

スペインではビジネスを実践する時に、特に予測や計画を立てたりしません。

明日は明日の風が吹く、という具合です。

これはある意味ではメンタリティーの問題であり、ある意味では先の計画を立てるメカニズムが、あまり発達していないためです。

昨日の会計をすることさえまだ初歩段階、といった環境では、明日の会計を期待することなど、ぜいたくというものです。

戦略づくりは、社長やオーナーの責任です。

その場合、彼らは、システマティックな研究よりも、直観やビジネスセンスに頼ります。

もしコミュニケーションが行われるとしたら(そんなことは誰も期待していませんが)、あいまいなヒントや忠告という形をとるでしょう。

インテレクチュアルな概要をつくりあげたり、壮大な構想を練ったりすることは好きではありません。

具体的なもの、実践的なもの、自分が信頼している人たちの意見のほうを好みます。

おびただしい数の情報収集に時間をかけたり、研究を行ったりするのは、時間の無駄だと思われています。

情報収集とは、何を調べているのかは明らかにせず、できるだけ多くの人に話しかけることなのです。

どんな数字も信頼できない、または存在しないようなスペインのビジネス環境においては、これが唯一の方策です。

もっと近代的な企業では、正式な書類に書かれた計画があるかもしれませんが、それはおそらく経営陣のために、戦略立案のコンサルタントがまとめたものでしょう。

でもそれを実際に実行することは、中間管理職にとっては経験もなく、またしたいとも思わないかもしれません。

JDPアセットマネジメント株式会社