私が話をしたある会社の社長は、彼の下にある各部門が、お互いにコミュニケーシヨンをとらないことを自慢していました。
これは、お互いの仕事に干渉してはいけないという意味です。
スペイン人は彼らなりの秩序と規律に対する意識を強くもっているのですが、それは理論的なものではなく、むしろ実践的であり具体的なものであるといえます。
規則や制度、メカニズムといったものは、ただ異常事態が起きた時にそれをストップするための最後の手段であると考えられています。
システムにとらわれたくないと考えることは何を意味しているかというと、つねに危機感、緊迫感が存在しているということです。
しかしそのような状態にうまく対処していくことで誇りをもつことができ、そのほうが機械の歯車の一つなどでいるよりは、はるかにやりがいがあるわけです。
旧スペイン時代の中央集権制度は、それにふさわしい組織の規範をつくりました。
監督官庁と同じように運営されている国営の企業、そして大規模な民間企業に存在する念入りな組織の枠組みは、あまりにおびただしい数の書類上の手続きによって縛られているため、その手続きの本来の目的など、とうに見失われてしまっています。
このような状況は、新興の民間セクターでは、速いスピードで変わりつつあります。
中央集権排除に基づく組織や目標設定、また職務の専門化などが急速に根をおろしつつあるため、若者と50歳以上の管理職の間には、深刻な世代のギャップが生まれています。
JDPアセットマネジメント株式会社