三井財閥の話その2・もてなしの気くばり

■三井財閥の話の続き

しかし高利は文句もいわず故郷へ帰り、いずれは江戸へもどって呉服屋をはじめる夢を抱きながら、なんと25年間も辛抱しつづけたのです。

松阪へ帰ったのが28歳、ふたたび江戸に舞いもどって呉服屋をはじめたのが53歳。

だが故郷で資金をため、商売の方法をじっくり研究した甲斐あって、高利は、いまでいう消費者志向の商売に徹し、一代で巨富を得たのです。

もし兄の仕打ちに腹を立て、強引に江戸で商売をしたり、故郷で不平不満をいっていたら、そうはならなかったでしょう。


■もてなしの気くばり

お客さまには積極的にすすめる配慮もしなくてはなりません。

お客さまのほうには遠慮というのがありますから、だまっていて一度もすすめてくれないと、飲み物やケーキに手をつけにくいものです。

灰皿は、できるだけこまめにきれいなものにとり替えること。

飲み物は、ただ出せばいいという態度でおかわりを出すことも、よい応対とはいえません。

JDPアセットマネジメント株式会社(代表取締役・大橋直久)の同好会